あるがままの心

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権利を探して 25

瞳の濁る者が空を見上げる
段ボールを敷いて彼は寝る―帰る家などない…
瞳の先には人生が虚無に広がるばかり

誰もが顔をしかめ―無視をするように…歩いていく

視界に入っても―まるでいないかのように…通り過ぎていく
知ろうともしない偏見に追いやられるように―彼は路上の隅で生きていた

彼は自分の人生を一生懸命に生きていただけだった
仕事を失ってその時初めて知るのだ
社会のためにどれほど身を粉にして働こうとも―社会は働けない者を見捨てるのだと

国は個人を助けてはくれない
誰もがそれを知っているからこそ
競い合い 蹴落とし合うのではないのか

青空を人影が遮る
彼の前で足を止める人がいた
青年は彼に話しかける

「こんにちは」
そう言って―青年はしゃがんだ

青年は彼の手を握る
「ごめんなさい」―そう言って俯いた

私はお金を持っていません

私にできることは
これくらいしかないんです

その瞳に哀れみはなく同情もない
しかし労りに溢れたそれは紛れもなく―人へ向けられたものだった

それは彼の置かれた境遇への深い理解と共感への眼差しだった

その瞳の中に宿る光は濁流を照らし清らかな風を呼び起こす
それは彼に生きることを問いかける

「――十分だよ」
彼は手に力を込めた

欲しいのはお金ではないのだ

人が人として 自らの力で生き
必要とされ 生きていてもいいのだと
――そう思える場所であり

責めることなく 批判するのでもない
無理解と無関心の人の集まりではなく
関心と共感に育まれる場所なのだ

あなたは一人の人間として
当たり前の生活を求めていいのだと
その幸せを生きていいのだと
生きることを許されるのだと

それは一人の人間としての価値
その尊厳の承認による
人間的な関係である

膝を着き―目線を彼に合わせたその行為が
同じ場所に立とうとする何よりも共感となったのだ

そんなふうに―人間として扱われたのは一体いつ以来だろうか…

――どうして声をかけたのか……
聞かずにはいられなかった

彼は何を求めて
声をかけてくれたのか――と……

青年は答えた――その理念を

「あなたが悪いんじゃない」

「間違っているのはこの社会だ
 人の価値は能力では決まらないのだから」

そして語り始めた――自らの理想と信念を





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  1. 2014/08/11(月) 10:48:04|
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