あるがままの心

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権利を探して 7

そんな日常に―その過去に―射し込んだ一条の光を彼は思い出す
そこには彼を導いた心の原風景が存在した
それは故郷とも言うべき場所であり
自信を失い―寂しさに包まれ―傷つき―挫折に打ち拉がれようとも
心の故郷を思い出せばそよ風に抱かれて安らぎに眠ることができた

彼はとある教師と出会うことになる

それは些細な間違いだった
だが一体何度繰り返したか分からないような過ちでもあった
ある者は露骨に舌打ちをし―ある者はその過ちを罵った
溜息とも軽蔑ともとれない雰囲気が彼を刺した

彼は拳を握る

本当は―…

―したくて間違っているわけではないことを―彼は分かって欲しかったのかもしれない
しかしそんな声を誰が聴くというのだろうか

大人たちの言うことを聴くほど最早彼は従順ではなく
しかし自らの石で進むほどに強くもなかった

あるのはただ存在の否定という渦であり
溺れないように必死に藻掻くだけだった

握った拳を―解いた―…

「すみません」
できなくてもいいよ
―はっとして彼は顔を上げた

驚いたことに彼女はそう言ったのだった
教室は静まりかえっていた

「できないことを教えるのが教師の仕事だからね」
最初からできていたらいる意味無いでしょ?
彼女はそう言って笑う

彼女が彼に対して何か特別な事をしたわけではなかった
彼女はただ―自らが信じる教師として―そういったまでだった

―大丈夫―できるようになるから―
―だから何回でも間違えていいの―

それが彼女の口癖だった
彼女との出会いが彼の運命を変えた









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  1. 2014/07/23(水) 13:58:46|
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